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デジ革 一般社団法人デジタル経営革新協会
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COLUMN ・ 2021-06-15

DXとIT化の違い? 本当?

権 成俊

DXという言葉が大分浸透してきたと感じます。しかし、その意味の捉え方はさまざまです。言葉は生き物なので、DXの定義の話をしても仕方がないと思いますが、いま必要な視点は何か、ということはやはり押さえておきたい。

経済産業省が運営するミラサポで、DXとIT化の違いが説明されています。

「DXの『X』はトランスフォーメーション(変革)なので、業務などの『変革』が踏まれていなくてはなりません。たとえば、会計ソフトのデータを、顧客管理や原価管理にフィードバックするような活用する業務フローをつくり、組織の『変革』につなげていくようなイメージです。」

でも、この説明、本当でしょうか。会計ソフトと顧客管理の連携が、DXと言えるでしょうか。

業務効率化はDXではない

私の整理では、IT化とDXの違いは次のようになります。

  • IT化 … IT活用で効率をアップさせること
  • DX … 根本的にビジネスモデルを変革すること

従来の延長で部分的に変えるか、ゼロベースで全く変えるか。変革とはもっと破壊的であり、従来の業務と対立する仕組みへの転換だと思います。

一番簡単だけど、効果が低いのは、業務の自動化やシステム化、クラウド活用。業務プロセスの効率化だけで、会社の外から見たら何も変わっていません。

もう少し頑張ると、デジタルを活用しつつ、組織をそれに最適化する。大企業だと、デジタル化することでなくなる部署が出てきたり、組織体系そのものが変わるので、組織の最適化、ガバナンスは大事になる。それでも、これも外から見たらそんなに変わってない。

一番大事なのは「顧客のデジタル化」への対応

私が思うに、一番大事なのは、業務や組織のデジタル化の話ではなく、顧客のデジタル化への対応です。

デジタル社会において消費行動が変化した、ということに着目して、商品・サービスそのものを変えること、つまり提供する価値から見直すこと。

みんな、デジタル技術というシーズを取り入れることばかり考えているけど、デジタルによって生まれたニーズへの対応のほうが重要なのです。

検索エンジンや、ネット通販、電子書籍、QRコード決済、MaaS——これらは全部これです。根本的に商品、サービスを、デジタルによって生まれた新しいニーズに対応させている

「そうはいっても、まずは出来ることから……」という人がいますが、それをやっていてもうまくいかなかったから「変革が必要」と言われるようになりました。それなのに、まだそんなことを言っているのでしょうか。

私はウェブサイトを起点として、事業変革を手掛けた経験が多いので、現場感覚で考えると、徐々に変革、というのは絵空事に聞こえてしまいます。どこかで決断と、大胆な行動の改革が必要になります。それまでのことは捨てて、新しい仕組みに踏み出すということです。

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