COLUMN ・ 2024-09-09
市場成長曲線——導入期から衰退期まで
権 成俊
市場成長曲線は、どの業界でも見られる市場規模の推移を表したものです。市場の規模や利益の推移は、通常、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つの段階に分けられ、それぞれの段階で異なる特徴が見られます。

導入期——赤字を覚悟する時期
導入期では、新しい製品やサービスが市場に登場し、先進的な消費者が購入を始めます。
この時期の売上はまだ少なく、プロモーションコストが高いため、利益は赤字になりがちです。
成長期——スケールメリットが効く時期
徐々に認知度が上がり、競合他社が参入し、市場全体の売上が急増します。これが成長期です。
多くの企業がプロモーションを行うことで市場が拡大し、売上のスケールが大きくなることでスケールメリットが働き、利益も増え、黒字化できます。
この時期は徐々に競合が増えていきますが、どちらかというと市場の成長(新規購入者の増加)が競合の増加ペースを上回っているため、プロモーションコストをかけるほど売上と利益が増えます。
成熟期——差別化戦略が必須になる時期
成熟期になると、新規購入者の増加ペースよりも競合の増加ペースが勝っている段階です。
市場規模は成長限界に近づいているのに、競合はますます増えていることから、たくさんの企業が市場全体の売上を分け合うことになり、一社当たりの売上は減少します。
市場全体の売上がピークに達するころには、値下げをして数を売ろうという意思が働くため、製品の価格が下落し始め、全体の市場規模が縮小していきます。
この段階では、企業は差別化戦略を取り入れ、価格競争からの脱却を図ることが求められます。
衰退期——イノベーションが必要な時期
最終的に、衰退期に入ると、市場の成長が止まり、売上と利益が減少し始めます。
この段階では、企業が生き残るためにはイノベーションが必要です。イノベーションとは、新しい価値を提供し、競合の少ない市場へと事業ドメインを移行させることです。
早期参入と、衰退期のイノベーション
結論として、企業が事業を成長させるためには、市場成長曲線の成長期や成熟期に焦点を当て、その市場に早期参入することが重要です。また、衰退期にはイノベーションを通じて新たな成長機会を見つけることが不可欠です。
市場成長曲線を理解し、適切なタイミングでの戦略的な意思決定を行うことが、長期的な成功への鍵となります。