COLUMN ・ 2014-08-18
ボトルネックはどこにある?
権 成俊
ボトルネックはどこにある?
ボトルネックはどこにある?
私は1998年くらいからネット通販を中心としたウェブの仕事に携わっています。 ウェブ業界のキャリアは16年で、大分古株です。 ウェブ制作系のイベントに行くと、大体私が参加者の中で最年長です。
16年ウェブ業界に携わる中で、必要に迫られて、いろいろな分野の専門性を磨きました。 それによって私自身の仕事の中心も大分変ってきました。
- ウェブサイトの企画
- 検索キーワード調査
- SEO
- リスティング広告
- google analytics
- 中規模サイト(1000ページ未満くらい)の設計
- コンテンツ企画
- ウェブ戦略立案
テーマが変ってきた理由は、その時期によって「ボトルネックはなにか?」ということへの自分の中での回答が変ってきたからです。 たとえば、以前は「お客様の売り上げが伸びないのは検索順位が低く、集客が出来ないせいだ」と考えていました。 リスティング広告が流行り始めたころは、「SEOよりもリスティング広告の方が安く大規模に集客が出来る」と考えました。 さらには、「集客よりも、構造設計とか、コンテンツによるサイト改善の方が効果が高い」と思うようになりました。
本当のボトルネックは何か?
しかし、テーマが変ってきた理由がもう一つあります。 それは私自身の視点の変化です。
SEOやリスティング広告でアクセス対策を中心にしていたころは、お客様の売り上げが足りないのは集客が足りないからだと思っていました。 たしかにそれは間違っていませんが、集客が足りないのはなぜかを考えるようになりました。 それを分析するためにgoogle analyticsが大切だと思いました。 その結果、アクセス対策以上に、サイトの設計やコンテンツに課題があると考えるようになりました。
しかし、サイトの設計やコンテンツの改善に取り組んで成果を出しても、その効果が長く続かないことに気が付きました。 サイトを常に最善に保つことは難しく、出来たとしてもコストがかかり、サイトだけを解析することは対処療法に過ぎないと思いました。 アクセス対策も、サイト、コンテンツの改善も、それだけで長く売り上げ、利益に貢献することは難しいのです。
それでは、一体何を解決すれば、長く貢献し続けられるのか。 本当のボトルネックは何なのか。 私が考えたのは、インターネット上で比較されたときに、「選ばれる理由」があるかどうか、ということでした。 言い換えれば、戦略があるかどうか、ということです。 放っておいても人が集まってきて、サイトが多少使いづらくても、コンテンツが不十分でも、買いたくなるような商品、サービスを提供しなければならないのです。 言い換えれば、短期的な利益の視点から、長期的な利益の視点に変ってきた、ということかもしれません。
さらに最近のメインテーマはビジョンです。 他社と大きく異なる圧倒的な差別化が出来ている商品やサービスを開発するには、大きな覚悟と、継続的な取り組みが必要です。 お金を追いかけているうちは、お金を失うことを恐れて、本当にリスクを背負うことは出来ません。 それが出来るかどうか経営者の価値観、事業に対するビジョンにかかっています。 経営者さんと一緒に価値観を掘り起こして、ビジョンに具体性を持たせ、そこから戦略を導くという流れが効果的であることに気づきました。
自らが取り組める最大限のボトルネックを見つけよう
立場や経験によって見えるものは変わります。 ウェブサイトの改善を請け負っている立場にいれば、ウェブサイトの中でのボトルネックを探すでしょう。 リスティング広告の代行を請け負っていれば、リスティング広告の中でのボトルネックを探すでしょう。 しかし、お客様にとってはそれは本当のボトルネックではありません。
「このまま行っても上手くいかないのでは・・・」 そう思いながら仕事をしていることは無いでしょうか。 そう思うようになったら、次の段階の視点に進むときです。 今までの枠組みからもう一段階大きな枠組みで、本当のボトルネックを探しましょう。 そこに働きかけるのです。 必要なら、誰かの力を借りてもいいでしょう。 いずれにしても、ボトルネックが見えたなら、そこから目をそらしてはいけません。 (*専門分野の習熟に価値が無いわけではありません。常に全体の中で価値を生んでいるかを意識すべきだ、ということです。)
ドラッカーも引用している、3人の石切り職人の話(イソップ童話?)と同じです。 あるものは生活のために働き、あるものは技術を磨くことに誇りを持ち、あるものは大聖堂を作ることに貢献していると考えます。 職人は技術を磨くことに誇りを持ちますが、技術の熟練は全体の目的に貢献してこそ価値があるものです。 大聖堂づくりの目的から外れて技術を磨くことに価値はありません。 経験とノウハウが身につくほど視野が広がり、全体と思っていた枠組みが一部であることに気づきます。 それを繰り返すことで、ますます大聖堂を作るという大きな目的に貢献できるのです。 意志によって、あなたの仕事はより素晴らしいものになるのです。
今私はより良いウェブ業界を作っているつもりです。 その先には、ウェブが企業を活性化し、社会が豊かになるというビジョンを持っています。