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デジ革 一般社団法人デジタル経営革新協会
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COLUMN ・ 2026-05-04

石の上にも3年

権 成俊

不思議なもので、なんでも3年頑張ると一つの臨界点を迎えて、見えなかったものが見えるようになります。私の人生の経験上、3年というのはそういう節目の期間であり、スポーツでも、勉強でも、事業でも、3年間取り組むと自分が少し卓越するのが感じられるのです。だからこそ、社員にも3年取り組むよう指導しています。

コンサルタントはお客様にアドバイスをすることで費用をいただきます。それだけ価値があるアドバイスを出来るようになるには時間がかかります。だからこそ、当社では新入社員に、「入社したら3年は辞めずに頑張りなさい」と伝えています。そして、それを承諾する人でないと採用しないようにしています。しかしながら、3年務められた人は数えるほどしかいません。今でも一緒に働いている小清水貴子さん、いまは独立して活躍している村上佐央里さん、春日井順子さん、それ以外にも、転職して別の場所で活躍している人が二人。確かに、みなとても優秀でしたが、彼らが仕事を続けられたのは優秀だからではないでしょう。自分の可能性を信じていたからだと思います。3年続ける、と言いながら、続けられなかった人は「自分は向いていない」と言います。しかし、向いているかどうかがわかるのに3年かかります。続けられた人たちも、3年たつまでは自分は向いていないのでは、と思っていました。それでも、続けたのです。その結果、限界を超え成長するのです。重要なのは自分への信頼です。

そして、これはイノベーションも同じです。普通イノベーションには時間がかかり、やはり3年くらいかけて取り組みます。それも、今の事業領域の先行きが不透明になってから着手するので、3年の間に事業の状況はさらに悪化することが多いです。最初は大きくチャレンジするつもりで取り組み始めても、徐々に事業の状況が悪化してくると、大きなチャレンジが怖くなってしまいます。その結果、イノベーションにブレーキがかかり、最初に描いた事業と実現したものが違うものになってしまうのです。そうならないようにするためには、自分に対する信頼が必要です。自分を信頼できるのは、動機がお金ではなく、損得を超えた価値観があるからなのです。

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